対馬市長、「核のごみ」最終処分場の調査受け入れず = 文献調査は2自治体のみ

公開日 2023年09月27日 12:55,

更新日 2025年02月14日 16:24

原子力発電所から出る「高レベル放射性廃棄物」(核のごみ)の最終処分場の選定をめぐり、長崎県対馬市の比田勝尚喜市長は27日、文献調査を受け入れない意向を明らかにした。

核のごみは、原子力発電に使用した燃料のうち、再利用できないものをガラスで固化した「高レベル放射性廃棄物」を指して、これを1万年単位にわたって、地下深くの地層に閉じ込めることを目指す。福島第一原子力発電所事故で発生したデブリなどは地層処分の対象ではなく、昨年3月までにガラス固化体に換算して約2万6,000本相当の使用済燃料が存在している。

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日本では2000年に、核のごみを最終的に地層処分することが決定され、現在は最終処分場の選定をおこなっている。選定は、文献調査・概要調査・精密調査という段階的な調査を経ておこなわれる。

しかし現在までに、最終処分場の候補として手を挙げた自治体は、北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村の2箇所となっており、その2箇所でも、文献調査の期間とされていた2年程度が過ぎた現在、議論は停滞したままだ。今回、対馬市長が文献調査を受け入れない意向を示したことで、松野官房長官は記者会見で、文献調査の実施地域拡大を目指して取り組みを続けると述べた。

文献調査を受け入れた自治体は、国から最大20億円の交付金を受け取れ、人口減や財政難などを背景として手を挙げた。一方、風評被害や安全性への不安、これから10万年先を見越した考慮事項の不確実性などから反対意見も強く、議論がまとまるには困難を伴う。

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