⏩特に高所得国の人口は減少し、各国が高齢化社会に直面
⏩サハラ以南のアフリカ諸国など、今後も人口増加の恩恵を受ける地域はあるが、大半の国は社会保障費の増大や経済成長の阻害など問題を抱える
昨年11月15日、世界人口は80億人に達した。この推計は国連の報告書『世界人口推計22年版』に基づいている。「人口問題」といえば、開発途上国では人口爆発を指す一方で、日本を含む先進国では少子高齢化が進んでいる。
世界の人口動態は今、地域によって両極端な局面を迎えていると言える。国連が報告する実態や向き合うべき課題を見ていこう。
世界の人口の今とこれから
『世界人口推計22年版』には、1950年から2022年までの世界の人口動態に関して、出世率や死亡率、移民数といったデータと、それを踏まえた2100年までの予測が示されている。
例えば22年版によれば、現在世界人口は増加しているが、実際に人口が増えているのは一部の国だけで、高所得国を含む多くの国ではむしろ人口減となり、高齢化も進んでいる。まずはこれらのデータを詳細にみていこう。