⏩ 潜在化しやすく統計に表れにくい特徴
⏩ 法改正や支援拡充などの対策がなされつつも、被害が後を絶たない状況
⏩ 子ども同士、家庭内で起こる性暴力、二次加害を防ぐ対策も課題に
2023年10月、学習塾大手・四谷大塚の講師が教え子を盗撮したとされる事件で、押収されたスマートフォンの解析の結果、12人の女児が被害にあっていたことが明らかとなった。日本では、子どもを標的にした性暴力が度々問題になっており、今年は旧ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏による性加害問題が、広く注目を集めた。
一方、子どもに接する職場で働く人々の性犯罪歴を確認する制度である日本版 DBS について、法案の提出が年明けに持ち越されるなど、子どもへの性暴力に関する対応が十分に進んでいるとは言い難い。
性暴力は「魂の殺人」とも言われ、とりわけ子どもに対する性暴力は、被害者の心身に長期にわたって有害な影響を及ぼす、極めて悪質な行為だ。
では、子どもに対する性暴力の実態はどうなっているのか。また、どのような対策が取られているのだろうか。(*1)
(*1)以下、特に断りがない限り、この記事では子どもを「18歳未満の人」として取り扱う。
子どもに対する性暴力の潜在化
子どもに対する性暴力の実態については、まずそれらが潜在化しやすい点を理解する必要がある。