震災から10日が経過し、被災した地域からの移住推進論が出ている。
こうした主張が意味するところは、文字通りの強制移住ではなく、たとえば補助金や各種支援など正のインセンティブをつけるパターンや、復興に傾斜をつけることで実質的に移住せざるを得ない状況をつくりだすパターンなどだ。
まず率直に言えば、今も50人程度の安否不明者がおり(*1)、3,000人以上が孤立状態にある中で、この議論が出てくるのかぁ...まぁそうかぁ...という何とも言えない感想だ。その上で思い起こすのは、歴史的に強制移住は必ずしも「強制性」に基づいていたわけではなかった、という事実だ。
(*1)石川県は、情報提供を促すため安否不明者の数について、曖昧な情報でも公表している。