⏩ 「政治とカネ」に限らず、景気・物価高対策などにも不満か
⏩ パーシャル連合模索の可能性、ただしハードルは高い
⏩ 政権の不安定化が懸念、特に金融や外交・安保に不透明性
27日、第50回衆議院選挙が投開票され、自民党と公明党の与党は、民主党政権が誕生した2009年以来、15年ぶりに過半数を割り込んだ。
公示前勢力(279議席)から大きく議席を減らした自民党が、単独過半数を割るのは2012年以来で、石破総理が目標として掲げていた与党過半数(233議席)も下回り、安倍政権以来続いてきた「与党一強・野党多弱」の時代が終わった。
海外メディアも与党大敗を大きく報じており、BBCは「世界4位の経済大国の政権がどのようなかたちになるのか、不透明な情勢」として、The New York Times 紙は「日本政治は、かつての特徴であった回転ドア型のリーダーシップに逆戻りするかもしれない」と述べている。
デフレ脱却が模索される中での与党大敗が、経済や金融政策の行方を不透明にすることも懸念される中、市場は今後の動向を模索している。値下がりからスタートした日経平均株価は、13時時点では先週末の終値と比べて一時700円以上値上がりしており、方向性が定まっていない。一方で東京外国為替市場は一時、153円88銭前後と3ヶ月ぶりの安値となった。
現状、明らかになっているデータは限られているものの、与党大敗に至った原因と、これから予想される動きなどを簡潔に検討する。
自民大敗の原因
多くの報道や与党政治家は、今回の選挙結果について「政治とカネ」をめぐる自民党批判を反映したものと受け止めている。石破総理はフジテレビの選挙特番「Live選挙サンデー 超速報SP」で、
いわゆる政治とカネの問題について、全くご理解をいただけていない、ということが一番大きかったと思います。ですから、外交とか安全保障とか社会保障とか、あるいは農業政策とか、そういう個々の論点に議論が行かないで、政治とカネということについて、議論が集中した
と振り返った。
ただし、今回の選挙結果が必ずしも「政治とカネ」のみの審判であったかは、現時点では分からない。