5日、感染者が全国で初めて1万5,000人超えるなど、全国的な感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。その背景にあるのは、8月初旬時点で関東で約90%、関西で約60%に達したと推計されるデルタ株だ。
そもそもデルタ株とは何であり、なぜこれほど感染が拡大しているのか?そして、これまでと何が異なり、世界は今どのような状況にあるのだろうか?
デルタ株とはなにか
デルタ株は、2020年末にインドで最初に特定された変異株の一種だ。新型コロナウイルスB.1.617系統(SARS-CoV-2 lineage B.1.617)であり、当初は二重変異株と呼ばれていた。昨年9月に英国で特定されたアルファ株に続いて、変異株の中では最も注目を集めるウイルスとなっている。
日本国内では、2021年4月20日に初めてデルタ株が検出されたが、5月にはフランスやギリシャ、そして英国など欧州各国でも広がり、6月には米国全域でも検出されるようになった。
その後、国内では6月初旬からデルタ株による市中感染が確認されはじめ、7月末には首都圏など1都3県で急拡大する状況となった。
何が違うのか?(感染力・重症化・ワクチン)
デルタ株の特徴については、大阪大学医学部 感染制御学の忽那賢志が
- デルタ型の感染力は従来のウイルスより大幅に増している
- デルタ型変異ウイルスに感染すると重症化しやすい
- ワクチン接種しても感染することはあるが、重症化は防げる
という3つの特徴を挙げている。