⏩ パンデミック後の健康志向に合致した "ファストカジュアル" で注目
⏩ オンライン注文やテイクアウトなど、多様化する食事スタイルに対応
⏩ 同業他社の追随や、IPO 活性化の兆しも
6月15日、アメリカの地中海料理レストランチェーンCava(カヴァ)がニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した。IPO価格22ドルの約2倍となる42.38ドルの初値をつけ、時価総額は50億ドル(約6,967億円)に達した。IPOの規模としては今年6番目、レストラン関連企業ではこの2年間で最大だ。
7月10日にはJPモルガン証券がカバレッジ(対象銘柄の調査・分析)を開始、投資判断をオーバーウェイト(基準より高い配分比率)としたほか、トップアナリストたちがCavaのさらなる成長を予測している。Cavaが成功例となったことで、飲食業界やIPO市場が活性化する期待も高まってきた。
Cavaはどのように成功し、注目される存在となったのだろうか?
Cavaとは?
Cava(同社HPより)
ワシントンD.C.に拠点を置き、アメリカ22州に展開するCavaは、スパイスを効かせたファラフェル(潰したひよこ豆やそら豆と香辛料を混ぜた中東風コロッケ)、ピタ(円盤状のパン)、フムス(ひよこ豆と調味料のペースト)など、ギリシャの家庭料理をベースにしたメニューを作りたてで提供している。また、ディップやドレッシングをスーパーで販売するなどして、地中海料理ブランドとしての地位を築いてきた。
Cavaの原点は、2006年にメリーランド州ロックヴィルにオープンした地中海料理レストランCava Mezzeだ。3人のギリシャ系アメリカ人、アイク・グリゴロプロス氏、ディミトリ・モショヴィティス氏、テッド・ゼノフリストス氏が共同創業者となった。