Brad Pitt(Glenn Francis, www.PacificProDigital.com, CC BY-SA 4.0), Leonardo DiCaprio(Christopher William Adach, CC BY-SA 2.0), Scarlett Johansson(JCS, CC-BY-SA-3.0 ), Illustration by The HEADLINE

なぜ、ハリウッドでストライキが起きているのか?トム・クルーズ氏の来日中止も、作品不足の懸念

公開日 2023年07月28日 17:55,

更新日 2023年09月06日 19:55,

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この記事のまとめ
⚡️ ハリウッドで63年ぶりの大規模スト、原因や影響は?

⏩ 俳優組合と脚本家組合の同時ストで、ハリウッドが閉鎖状態
⏩ Netflix などの動画配信サービスと、AI 活用が争点
⏩ 長期化により映画・テレビ業界のコンテンツが不足する可能性

映画産業の中心地ハリウッドが、閉鎖状態にある。6万人以上の俳優が加盟するハリウッド最大の労働組合 SAG-AFTRA が、7月14日にストライキを開始したためだ。5月から続く全米脚本家組合(WGA)のストライキと合わせ、63年ぶりに2組合同時の大規模ストライキとなった。

ストライキ終息の目処は立っておらず、組合員が関わる映画やテレビ関連の動きがほぼ停止している。

なぜ今、ハリウッドでストライキが起きているのだろうか? そして、このストライキはどのような影響をもたらすのだろうか。

何が起こっているのか

現在ストライキを起こしているのは、俳優の労働組合 SAG-AFTRA 脚本家の労働組合 WGA の2つで、主な交渉相手は、大手映画スタジオや主要テレビ局などの製作者同盟 AMPTP だ。

俳優の労働組合による映画・テレビ出演のストライキは1980年以来43年ぶり、脚本家の労働組合によるストライキは2008年以来14年ぶりとなる。

1万1,000人の組合員を擁する WGA のストライキは、5月2日から続いていた。ストライキの理由について詳しくは後述するが、待遇改善や AI 活用における労働者の保護を求めるものだ。そこに全組合員数16万人、俳優だけでも6万人以上にのぼる SAG-AFTRA のストライキが重なったことで、歴史的な規模に発展した(*1)。 俳優たちの要求も、概ね脚本家と同じものだ。

(*1)SAG-AFTRA には司会者やアナウンサー、放送ジャーナリストらも加盟しているが、今回のストライキの影響を受けるのは映画・テレビ業界に関わる俳優約6万5,000人のみ。

きっかけ

SAG-AFTRA が参戦するきっかけとなったのは、映画・テレビ製作者同盟 AMPTP との新契約交渉だ。

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✍🏻 著者
リサーチャー
東京大学大学院総合文化研究科(表象文化論)にて修士号取得。専門はイタリア近代絵画。アートの領域を中心にライターとして活動中。
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