⏩ 文科省が民法上の不法行為を根拠として地裁に請求
⏩ 解散はあくまで宗教法人の解体であり、団体自体は存続可能
⏩ 過去、オウム真理教や明覚寺に解散命令
⏩ 信教の自由や信者の人権保護などの観点から慎重な見方も
2023年10月13日、盛山正仁・文部科学大臣は、旧統一教会(*1)の解散命令を東京地方裁判所に請求したと明かした。
盛山大臣は12日の記者会見で、旧統一教会は遅くとも昭和55年(1980年)頃から、「長期間にわたり継続的に」「相手方の正常な判断が妨げられる状態で、献金や物品の購入をさせ、多くの方々に多額の損害を被らせ、親族を含む多くの方々の生活の平穏を害する行為」をおこなったとした。
そして、「このような旧統一教会の行為は民法の不当行為に該当し、その被害も甚大であることを踏まえると」解散命令事由に該当すると述べていた。
行政機関による法令違反を根拠とした解散命令の請求は、オウム真理教のケースなどに続いて3例目、根拠を民法上の不法行為としたのは初めてだ。一方で解散命令をめぐっては、専門家の間でも信教の自由や、解散の判断を下す根拠などについて、慎重な見解が提出されている。
宗教法人に対する解散命令とは何で、どのような論点があるのだろうか。
(*1)旧統一教会は、1994年に世界平和統一家庭連合と名称を変更しているが、便宜上本記事では旧統一教会と表記する。