⏩ COPは年に1度、各国が気候変動対策を話し合う場
⏩ これまでも京都議定書やパリ協定など政治交渉の舞台に
⏩ COP28では「化石燃料からの脱却」で各国が合意
アラブ首長国連邦(UAE)で開かれていた国連気候変動枠組条約の第28回締約国会議(COP28)が、12月13日に閉会した。
11月30日から開催されていたCOP28には、日本から岸田首相が出席したほか、英国のチャールズ国王も出席・演説し、各国に気候変動対策を強化するよう求めた。2週間にわたる会議の結果、各国は「化石燃料からの脱却」を進めることに合意した。産油国であるUAEが議長となり「脱・化石燃料」の合意を取りまとめたことについて、専門家からは「歴史的」と評価する声も上がっている。
気候変動の脅威が深刻になるつれ、世界各国の政策担当者が一堂に会し、気候変動対策を話し合う「COP」の存在感も次第に大きなものとなっている。
そのことを示す1つの証左が、首脳によるコミットメントの強化だ。日本では、約8年間の第二次安倍政権下で安倍首相がCOPに参加したのは2015年のCOP21のみだった。一方、岸田首相は2021年のCOP26、2023年のCOP28と既に2度COPへ出席している。
2022年のCOP27については、いわゆる「旧統一協会問題」が焦点となった臨時国会の対応を優先し、首相の参加が見送られた。しかし、COP27には米・バイデン大統領をはじめ、各国首脳が揃って出席しており、大手メディアからは「不参加」を決めた政府の判断を批判する声も上がった。
では、気候変動をめぐる重要国際会議として存在感を高めている「COP」とは、そもそも一体何なのか。そして、これまで28回開催されてきたCOPを通じて、世界は一体何を決めてきたのだろうか(*1)。
(*1)この記事では便宜上、COPに併せて開催されるCMPなどの関係会合を含めたものとして、COPの名称を使用する。
COPとは何か
COPの正式名称は「気候変動枠組条約締約国会議」だ。