パランティア、2024年10-12月期(第4四半期)決算を発表 – 売上36%増で黒字継続

公開日 2025年02月14日 14:01,

更新日 2025年02月14日 18:30

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最新決算の主要数値

パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies)は2025年2月3日、2024年12月期第4四半期(10-12月期)の決算を発表した。主な業績ハイライトは以下の通り。

  • 売上高: 8億2,800万ドル(前年同期比 +36%、前四半期比 +14%)​。米国市場の伸びが顕著で、米国売上は5億5800万ドル(前年同期比 +52%)に達した。その内訳は商用部門が2億1,400万ドル(+64%)、政府部門が3億4,300万ドル(+45%)となり、いずれも大幅な増収​。
  • 純利益(GAAP): 7,900万ドル(利益率10%)​。一時的なストック報酬(SAR)関連費用を除いた場合、純利益は1億6,500万ドル(利益率20%)​。
  • 1株当たり利益(EPS): GAAPベース $0.03(特別費用除外後 $0.07)、調整後EPS $0.14​。
  • キャッシュフロー(CF): 営業キャッシュフローは4億6,000万ドルで営業CFマージン56%、調整後フリーキャッシュフローは5億1,700万ドルでフリーCFマージン63%​。
  • 顧客・契約動向: 顧客数は前年同期比で43%増加し、プラットフォームの導入企業が大きく拡大​。契約も大口が相次ぎ、今四半期中に契約額100万ドル超の案件を129件(うち1000万ドル超が32件)獲得​。

経営陣の公式コメント

決算発表に際し、経営陣は業績と今後の戦略について公式コメントを発表した。最高経営責任者(CEO)アレックス・カープ氏は株主向けの書簡の中で、「我々はいま、これから長年にわたり展開していく革命の幕開け、最初の一幕の始まりに立っている。」そして「私たちはこの瞬間に向けて20年以上綿密に準備してきた」と述べ、生成AIを含む技術革新の波に対する自社の長期ビジョンと準備に自信を示した​。

最高技術責任者(CTO)のシャーム・サンカー氏は決算説明会において、昨今のAI分野における国際的競争について言及した。サンカー氏は「我々は中国とAI分野でまさに軍拡競争の渦中にある」と述べ、AI技術をめぐる競争が国家間の戦いであり、“winner-take-all”(勝者総取り)の様相を呈しているとの見解を示した​

背景情報:事業方針・技術戦略・市場環境

パランティアは創業以来、一貫して政府機関や軍事分野向けのデータ解析プラットフォームを提供してきた。その技術は米国防総省やCIA(米中央情報局)などに採用されており、単なるソフトウェア企業を超えて「米国の諜報・防衛の柱」とも称される

カープCEO自身、公の場で同社の使命を「西側諸国の価値観と安全保障を守ること」と位置付けており、新興の脅威に対抗し米国の優位性を維持するという信念を明確にしている。実際、第4四半期の売上の41%は米国国防総省との取引によるものであり​、政府・軍事分野が同社業績の中核を占めている。

同社は近年、民間企業向け事業も急成長させている。提供する主要ソフトウェアプラットフォームには、企業向けの「Palantir Foundry」と政府機関向けの「Palantir Gotham」があり、いずれも大量のデータ統合・分析を可能にする基盤ソフトだ​。これらは新型コロナ禍における各国政府の対応やウクライナ紛争など危機下でも活用され、その実用性が評価されている​。

パランティアの技術戦略上の特徴は、オントロジーと呼ばれるアプローチにある。経営陣は、自社のAIが他社より優れている要因としてこのデータオントロジー手法を挙げており、膨大なデータを統合して運用上有用なインテリジェンスを抽出できる点を強調している。

このような技術優位性と実績により、パランティアは防衛産業界ではロッキード・マーティンやレイセオン(RTX)といった伝統的軍需企業になぞらえられる一方、商用ソフトウェアの分野ではSAPやDatabricksなどデータ分析プラットフォーム企業との競合関係にもある​。

また、欧州市場においてはデータ規制の厳しさや米国企業への警戒感から導入ハードルがあるものの、同社ソリューションの有効性が認められれば重要なパートナーになり得るとも指摘されている。

市場環境の面では、昨今の生成AIブームが追い風となり、パランティアの企業価値は大きく飛躍した。同社株価は2024年に約341%上昇(4倍超)し​、S&P500指数への採用(2024年9月)やナスダック100指数への採用(同年12月)も果たすなど​、米国株式市場における存在感を急速に高めている。

また、第4四半期決算の発表後には株価が一時20%以上急騰し、過去最高値を更新する場面もあった​。投資家からは同社のAI分野における成長戦略が高く評価されており、ウォール街のアナリストもパランティアのAIビジネスの伸長を好感している。

今後の展開

パランティアは今回の決算と同時に力強い今後の見通しを示した。2025年通年の業績ガイダンス(会社予想)は以下の通り。

  • 2025年 売上高見通し: 37.41億~37.57億ドル(前年比約 +31%)
  • 2025年 調整後営業利益: 15.51億~15.67億ドル​
  • 2025年 調整後フリーキャッシュフロー: 15億~17億ドル​

特に主要市場である米国商用部門の拡大を引き続き重視しており、2025年の米国商用売上は前年から54%増の10億7900万ドル超になると予測している​。

これは前年に続き非常に高い成長率で、生成AIを活用したパランティアの企業向け製品への需要が今後も加速すると見ていることを示す。また経営陣は、人工知能プラットフォーム「AIP」への積極的投資を継続しつつ、事業規模の拡大に伴う営業レバレッジ(収益性)の向上も追求していくという

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