モデルナ、2024年度売上は32億ドル = 前年より減少も、損失は圧縮
公開日 2025年02月17日 15:39,
更新日 2025年02月17日 16:08
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Modernaは現地時間14日、2024年第4四半期および通年の売上高と営業損益を発表した。
(金額単位:米ドル)
4Q 2024 | 4Q 2023 | FY 2024 | FY 2023 | |
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売上高 | 9.66億ドル | 28.11億ドル | 32.36億ドル | 68.48億ドル |
営業利益(営業損益) | -12.46億ドル | 0.06億ドル | -39.45億ドル | -42.39億ドル |
全体的な概要は、以下の通り。
- 2024年通期の売上高は約32億ドルであり、前年(約68億ドル)に比べて減少。
- 2024年第4四半期の売上高は、約9.66億ドル(前年同期28.11億ドル)であり、前年同期比で減少。
- 営業損益は、第4四半期が約-12.46億ドル(前年同期は約0.06億ドルのプラス)となり、通期では約-39.45億ドル(前年は-42.39億ドル)となった。
注目すべきポイント
製品別動向
- Spikevax(COVID-19ワクチン)
2024年の売上は、前年より大きく減少している。主な要因として、COVID-19ワクチンの市場全体の需要減や競合状況などが挙げられている。2024年には更新型ワクチン(次世代型)の開発および承認申請が行われており、2025年以降の販売動向が今後の焦点となる見込みだ。 - mRESVIA(RSVワクチン)
高齢者向け(50歳以上)RSVワクチンが承認済であり、2024年の売上計上は限定的であった(通年約2,500万ドル)。今後、18~59歳のハイリスク層向けワクチンの承認取得を目指しており、さらに海外での認可拡大も見込まれるとされる。
セクター・開発パイプラインの進捗
Modernaは、複数の主要パイプラインについて「今後3年間で、最大10品目の承認取得を目指す」としている。
- 呼吸器系ウイルスワクチン
- 次世代COVID-19ワクチン(mRNA-1283):2024年に承認申請済。
- インフルエンザワクチン(mRNA-1010など):第3相試験中。
- COVID-19とインフルエンザの混合ワクチン(mRNA-1083):2024年末に米国などで承認申請した。
- RSV(18~59歳ハイリスク)ワクチン(mRNA-1345):申請提出済。
- 非呼吸器系(その他ウイルス等)
- CMV(サイトメガロウイルス)ワクチン:主要評価項目における途中解析(中間解析)は早期基準を満たさなかったが、治験継続中。最終解析結果は2025年に得られる見込みとされている。
- Norovirus(ノロウイルス)ワクチン:第3相試験を北半球で完了し、南半球でも追加登録予定。ただし1例の有害事象(ギラン・バレー症候群)が生じ、米国FDAによる臨床試験のホールド下にあると報告されている。
- がん領域(Oncology)
- 個別化がんワクチン(INT, mRNA-4157):悪性黒色腫(メラノーマ)術後補助療法の第3相試験を完了(被験者登録終了)。追加で複数の第2相・第3相試験を実施している。
- 希少疾患領域
- PA(プロピオン酸血症):承認に向けたレジストレーション試験(最終的な有効性評価のための臨床試験)を継続中。
- MMA(メチルマロン酸血症):FDAと主要試験デザイン合意済。2025年に開始予定とされている。
投資領域
- 同社は上記の主要パイプライン(呼吸器、がん、希少疾患、ノロウイルスやCMVなどのウイルス性疾患)に引き続き投資している。
- また、製造フットプリント(オーストラリア、カナダ、英国などの新拠点)整備も進めているとされる。2025年の資本的支出(CapEx)は4億ドル程度になる見通しである。
コスト削減策・財務面
- 2024年度は、約26億ドルのコスト削減(前年比)を達成したと報じられている。これは製造能力の再編や研究開発費用の優先順位付けなどによるものである。
- 通期の営業損失は39.45億ドルとなったが、同社は継続的な費用削減とキャッシュ・マネジメントを実行している。
- 2025年度は売上高を15億~25億ドルと想定しており、コロナワクチンの世界的需要動向やRSVワクチン販売の見通し、各国新拠点の認可取得時期などの不確定要素を考慮して幅を持たせている。
経営陣の認識
- 経営陣(CEOやCFOなど)は、2024年度は売上面で減少があった一方で、コスト最適化の成果によって一定の効率化が進んだとしている。
- 新型コロナワクチンの需要が減少する中でも、他のパイプライン(RSV、インフルエンザ、がん領域など)の進捗が得られた点を強調している。
- また、2025年以降に向けて最大10製品の承認が見込めるポートフォリオを持つとしており、既存のSpikevax(COVID-19ワクチン)とmRESVIA(RSVワクチン)以外の分野でも事業多角化を狙う姿勢である。
- コスト削減に関しては、引き続き製造再編・研究開発費の優先度見直し・デジタル化による業務効率向上を継続し、2025年・2026年にも追加的な削減を進める方針が示されている。
- 財務的には2024年末時点で95億ドルの現金および投資資産を保持しており、研究開発や将来的な事業拡大に向けた基盤は、十分確保されているという認識である。
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