⏩ 日本一の着陸回数、世界でも有数の「忙しい空港」
⏩ 事故件数はここ20年大幅に変化なく、現時点で混雑イコール危険とは言えない
⏩ 今後の航空機への需要増に対応すべく、管制への AI 導入も論点に
2024年1月2日、東京・羽田空港の滑走路上で、日本航空516便が着陸した直後に海上保安庁の航空機と衝突した。
事故原因の究明が進められる中、注目されているのが羽田空港の混雑ぶりだ。事故について同月2日夜に会見した国土交通省の平岡成哲航空局長は「羽田空港につきましては、基本的には日本で一番忙しい空港ということになっておりますので、容量いっぱいで使われていたと思います」としたうえで「スケジュール管理は管制機関で適切に組んでいます。特に問題があったとは認識していないです」と説明した。(太字は筆者による、以下同様)
羽田空港は具体的にどのくらい混雑しており、そして ”危険な” 空港なのだろうか。
羽田空港はどのくらい忙しいのか
「羽田空港が日本で一番忙しい空港」というのは、統計的な数字から見ても間違いないだろう。
たとえば、国際線と国内線を合わせた着陸回数は令和4年(2022年)で年間19万4,050回であり、1日平均532回であり、成田空港の年間8万3,255回(1日平均229回)の倍以上の数字だ(下図)。
羽田と成田の暦年別着陸回数の推移(国土交通省「暦年・年度別空港管理状況調書(H25~R4)」より筆者作成、CC BY 4.0)
また、英航空情報会社 OAG が発表した2023年の「世界混雑空港ランキング」によれば、羽田空港は世界第3位だった。