⏩ AI 本格化により、根幹インフラのデータセンター需要が急伸
⏩ 冷却に大量の水を利用し、現地の生活用水を脅かす事態に「新たな水戦争」の声も
⏩ 冷却技術の革新を目指すスタートアップも登場
直近のビッグテックの決算発表により、2024年は AI への取り組みが本格化する年であることが示唆された。Microsoft のサティア・ナデラCEO が述べたように、「私たちは AI について話す段階から、AI を大規模に適用する段階へと移行」し始めている。
これに伴って、AI やクラウド・コンピューティングを支えるデータセンターへの需要が高まり、急速に注目を集めるビジネスと化している。たとえば、Meta は2024年、データセンターを含むデジタルインフラの設備投資に約370億ドル(約5兆5,500億円)を投じる方針だ。
日本でも、データセンター拡充に向けた動きは活発化している。1月19日、Amazon Web Service(AWS)は向こう5年間で、東京と大阪のデータセンターを含むクラウドインフラに2兆2,600億円の投資をおこなうと発表した。1月31日には、通信大手・さくらインターネットが、北海道石狩市で運営中のデータセンター拡張に向けて48億円の追加設備投資をおこなうと発表している。
さくらインターネットの石狩データセンター(Smbd, CC BY-SA 4.0 DEED)
一方で、OpenAI のサム・アルトマンCEO が「AI を人間レベルの知能に近づけるためには、さらに膨大な量の電力が必要になる」と話す通り、データセンターの拡大は電力消費の増加をもたらす。
これにより、データセンターは気候変動をはじめとする副作用も指摘される他、「水戦争をめぐる新たな最前線」になるとも言われる(太字は引用者による、以下同様)。すでに一部の地域では、データセンター建設に対する抗議活動が広がっている他、直接関わりのない別の業界からも不満が募っている。
空のボトルを叩きつけて抗議する人々(ウルグアイ)
AI やクラウドの根幹であるデータセンターは、なぜ批判を集めているのだろうか?