⏩ 国際社会はガザ南部ラファへの侵攻は「大虐殺」になると警鐘
⏩ イスラエルは国際支援がなくとも「完全勝利」まで戦うと明言
⏩ 土地をめぐる問題が、ネタニヤフ首相の姿勢でさらに解決困難に
2023年10月7日(現地時間)に始まった、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの戦争は、現在、停戦する兆しが見えずこう着状態に陥っている。戦闘開始から4ヶ月以上が経過し、双方の死者は合計で3万人を超えたと見られる。
イスラエルは2月11日夜から12日未明にかけて、約150万人が避難しているとされるパレスチナ自治区ガザ南部の都市・ラファを空爆した。ハマスが運営するガザ保健当局によれば、一晩で少なくとも67人が殺害されたという。イスラエルは当初、ラファを「安全地帯」(safe zone)に指定していた。
こうしたイスラエルの動きには、国際社会から懸念と非難の声が向けられている。たとえば、国連の人道問題担当トップは2月13日、ラファへの攻撃は「大虐殺」となるおそれがあると警鐘を鳴らした(太字は引用者による、以下同様)。日本でも、東京・新宿駅などで「#ラファに手を出すな」として、パレスチナに連帯するデモがおこなわれた。
それでもイスラエルは、戦争の継続を厭わない。同国のベンヤミン・ネタニヤフ首相は2月15日、「我々は完全な勝利まで戦う」とコメントしている。こうした戦争継続の背景には、深い構造的な問題と、それを解決困難にする同首相のスタンスが示唆される。
なぜ、イスラエルは国際社会を敵に回してでも戦争を継続するのだろうか?