6月から続く記録的な降雨量によって、パキスタンの洪水被害が拡大している。国土の3分の1が冠水した他、人口の15%にあたる3,300万人が被災し、これまでに死者1,100人・負傷者3,500人をそれぞれ超えている。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、1億6,000万ドルの緊急支援を要請した上で、気候変動との戦いの強化を訴えた。
同国の壊滅的な被害に対して、米国政府は3,000万ドルの支援を決定しており、EUも180万ユーロを拠出。日本政府は、テントなどの緊急援助物資の拠出を明らかにしている。
過去数年間にわたって、日本も含めた世界中で洪水・冠水をはじめとした大規模な水害が報じられている。またカナダ・バンクーバーの水害が、世界でポテト不足を引き起こしたことも記憶に新しい。
しかしながら、こうした数多くの水害と比しても、今回のパキスタン洪水がもたらす被害は甚大になると懸念されている。
なぜ被害はここまで拡大し、今後もより悪いシナリオが想定されているのだろうか?