韓国・ソウルの繁華街として知られる梨泰院(イテウォン)で29日、少なくとも159人が死亡し、82人以上が負傷する事故が起こった。韓国の消防当局によれば、死亡者のうち女性が97人で男性が54人となっている。
大勢の人が立ったまま押し潰されたり、下敷きになって圧死したと見られており、死因として圧着性窒息死などが指摘されている。現場で救命活動にあたった医療関係者は、死者の多くが応急処置を施しても助からない状態だったとも証言している。
またこの事件では、北海道根室市出身でソウルに留学中だった女性ら、2人の日本人が亡くなったことも判明しており、日本政府は詳しい情報収集に努めている。
2014年に304人が死亡したセウォル号沈没事故以来、韓国における最大規模の人命事故であり、ソウルに限って言えば、1995年に502人が死亡した三豊百貨店崩壊事故以来となる、大規模な惨事となった。
事件の原因は明らかになっていないが、韓国メディアなどでは複数要因が推測・指摘されており、尹錫悦(ユン・サンギョル)大統領も「起こってはならない悲劇、惨劇だ」と述べて、被害の把握や被害者らの支援とともに、原因の徹底調査を進める考えを示している。
現時点で、韓国内で注目されている事件の背景は、以下の3つだ。