エジプトのリゾート地・シャルムエルシェイクで開催されたCOP27が、11月20日に閉幕した。年に一度、世界各国の首脳や関係者が集まり、気候変動問題について議論する場がCOPだ。27回目となった今年は、一体どのような議論が交わされたのだろうか?
COPとは何か?
まず、そもそもCOPとは何かについて簡単に確認しておこう。
COPとは、国連気候変動枠組条約締約国会議の通称だ。COPは「Conference of the Parties」(締約国の会議)の略で、国連気候変動枠組条約発効の翌年である1995年以降、原則として毎年開催されている(*1)。今年は27回目のため、COP27と呼ばれている。
COPのなかでも、よく知られているのはCOP3とCOP21だ。COP3は1997年に京都で開催され、先進国の温室効果ガス(以下、GHG)の排出削減目標を定めた京都議定書が採択された。
COP21は2015年にフランス・パリで開催された。途上国を含むすべての締約国に削減努力を呼びかけ、いわゆる「1.5℃目標」(*2)を盛り込んだパリ協定が採択されたことで知られている。
(*1)新型コロナウィルス感染症の影響で2020年は中止となった。
(*2)産業革命以前に比べて、世界の平均気温の上昇幅を2℃よりも低くし、できる限り1.5℃に抑える目標。目標達成には2030年までに2010年比でCO2を45%削減する必要があると試算されている。