Mark Zuckerberg(Anthony Quintano, CC BY 2.0) , Illustration by The HEADLINE

Meta(Facebook)は、メタバースから撤退するのか?ジェネレーティブAI とレイオフで暗雲

公開日 2023年03月30日 21:24,

更新日 2023年09月14日 20:00,

有料記事 / ビッグテック

この記事のまとめ
💡 Meta、メタバースから撤退という噂が話題に = 真相は?

⏩ メタバース、市場としても企業としても苦戦続く
⏩ Meta、2023年は効率化とジェネレーティブAI に注力
⏩ そのため短期的にはメタバースの優先度は下がり、中長期的な成否も不透明

Facebook や Instagram などを傘下に持つ Meta が、メタバースから撤退するのではないか、という噂が流れている。同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、ジェネレーティブAI への注力を宣言したことに端を発する。またマーク・ザッカーバーグCEOが、Facebook やInstagram、WhatsApp などのコアビジネスへの注力姿勢を表明したことも、"メタバース離れ" の根拠となった。

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2021年に Facebook から社名を変更し、メタバースへの野心を示した Meta は、本当にメタバースから撤退するのだろうか。

Meta におけるメタバースの現状

メタバースをめぐる Meta の戦略を理解するためには、彼らが直面している(1)同社製品の苦戦とレイオフ(2)メタバース市場そのものの停滞という2つの背景を抑える必要がある。

1. 同社製品の苦戦

社名を変更するほど、メタバースへの力の入れようを見せた Meta だが、その製品は苦戦を強いられている。

MIXED Reality News によれば、仮想空間プラットフォーム Horizon Worlds で1ヶ月以内にアプリに戻ってくるユーザーは、10人に1人だという。同プラットフォームの2022年10月における月間アクティブユーザーは20万ユーザー以下と見られており、当初掲げていた50万ユーザーを大きく下回っている。

また同社の2022年第3四半期決算では、同社のメタバース部門 Reality Labs の売上が、前年同期比約49%減となる2億8,500万ドル(約416億円)まで落ち込んだ。VR ヘッドセットの Quest 2 の値上げが響いたとも噂され、同社は VR ヘッドセットの販売で業界首位だが、早くも勢いが失速したと懸念されている。

そして同社製品をめぐっては、その完成度が疑問視される局面も少なくない。ザッカーバーグCEO が昨年夏に投稿した Horizon Worlds の画像は、ネット上で嘲笑に晒され、数日後に同CEOが修正版を投稿する騒動もあった。

レイオフ

こうした苦戦は、テック業界全体のレイオフの波と重なり合っている。

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✍🏻 著者
シニアリサーチャー
早稲田大学政治学研究科修士課程修了。関心領域は、政治哲学・西洋政治思想史・倫理学など。
編集長 / 早稲田大学招聘講師
1989年東京都生まれ。2015年、起業した会社を東証一部上場企業に売却後、2020年に本誌立ち上げ。早稲田大学政治学研究科 修士課程修了(政治学)。日テレ系『DayDay.』火曜日コメンテーターの他、『スッキリ』(月曜日)、Abema TV『ABEMAヒルズ』、現代ビジネス、TBS系『サンデー・ジャポン』などでもニュース解説。関心領域は、メディアや政治思想、近代東アジアなど。
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