⏩ メタバース、市場としても企業としても苦戦続く
⏩ Meta、2023年は効率化とジェネレーティブAI に注力
⏩ そのため短期的にはメタバースの優先度は下がり、中長期的な成否も不透明
Facebook や Instagram などを傘下に持つ Meta が、メタバースから撤退するのではないか、という噂が流れている。同社CEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、ジェネレーティブAI への注力を宣言したことに端を発する。またマーク・ザッカーバーグCEOが、Facebook やInstagram、WhatsApp などのコアビジネスへの注力姿勢を表明したことも、"メタバース離れ" の根拠となった。
2021年に Facebook から社名を変更し、メタバースへの野心を示した Meta は、本当にメタバースから撤退するのだろうか。
Meta におけるメタバースの現状
メタバースをめぐる Meta の戦略を理解するためには、彼らが直面している(1)同社製品の苦戦とレイオフ(2)メタバース市場そのものの停滞という2つの背景を抑える必要がある。
1. 同社製品の苦戦
社名を変更するほど、メタバースへの力の入れようを見せた Meta だが、その製品は苦戦を強いられている。
MIXED Reality News によれば、仮想空間プラットフォーム Horizon Worlds で1ヶ月以内にアプリに戻ってくるユーザーは、10人に1人だという。同プラットフォームの2022年10月における月間アクティブユーザーは20万ユーザー以下と見られており、当初掲げていた50万ユーザーを大きく下回っている。
また同社の2022年第3四半期決算では、同社のメタバース部門 Reality Labs の売上が、前年同期比約49%減となる2億8,500万ドル(約416億円)まで落ち込んだ。VR ヘッドセットの Quest 2 の値上げが響いたとも噂され、同社は VR ヘッドセットの販売で業界首位だが、早くも勢いが失速したと懸念されている。
そして同社製品をめぐっては、その完成度が疑問視される局面も少なくない。ザッカーバーグCEO が昨年夏に投稿した Horizon Worlds の画像は、ネット上で嘲笑に晒され、数日後に同CEOが修正版を投稿する騒動もあった。
レイオフ
こうした苦戦は、テック業界全体のレイオフの波と重なり合っている。