⏩ 2019年に絶頂期を迎えるも、上場延期で転落
⏩ CEO への疑問・パンデミック・金利上昇が悪化を助長
⏩ 出資者である孫正義も WeWork への投資は「人生最大の汚点」と後悔
2023年11月6日(現地時間)、シェアオフィス大手の WeWork は日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請したと発表し、経営破綻した。
ニューヨークに本拠を置く同社は、2010年の創業以来、猛烈なペースで拠点を拡大させ、ピーク時には評価額470億ドル(約7兆円)にまで達していた。
ソフトバンクの孫正義会長の肝入りで、多額の支援を受けてきたスタートアップ業界の寵児は、どのようにして破綻へと至ったのだろうか。そして今回の破綻は、何を示唆しているのだろうか。
WeWork は「太陽に近づきすぎた」
WeWork の繁栄と衰退(Visual Capitalist)
WeWork は2010年、アダム・ニューマン氏とミゲル・マッケルビー氏によって共同創業された。同社のビジネスモデルは、好立地の不動産オーナーからオフィスビルを借り、洗練されたデザインに改修した後で、フリーランスの労働者や企業に貸し出して収益を得るというものだ。
WeWork はコワーキングの代名詞となり、Uber や Airbnb とともにシェアリングエコノミーの波に乗った結果、2014年に10億ドル(約1,500億円)を超える評価額を獲得しユニコーンの仲間入りを果たす。
WeWork(ajay_suresh, CC BY 2.0 DEED)
2017年、ソフトバンクグループ(SBG)からの投資が始まり、時価総額は2019年1月に470億ドル(約7兆円)に到達、新規株式公開(IPO)への期待が膨らんだ。
ところが、ここから事態は暗転する。