この記事から不定期に、編集長・石田個人の考えていることを(ほぼ校正なしに)垂れ流していこうと思う。本誌では、個人のオピニオンやらエッセイを基本的にタブーとして、これまで掲載してこなかった。しかし、石田自身のメディア出演が増える中で、自分自身がなぜ The HEADLINE をやっていたり、何を考えているかが、逆説的に見えづらくなったことを感じており、備忘録を残していこうと考え、実験的にはじめてみた。
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最近、ウェブメディア wezzy の更新終了・閉鎖が話題となった。日刊サイゾーで知られる株式会社サイゾーが運営するメディアで、武蔵大学の北村紗衣教授や専修大学の河野真太郎教授など、日本におけるフェミニズム関連の議論を牽引し、その理解促進に大きく貢献してきた論客らの議論が読めたという意味で、メディアとしての功績は非常に大きかったと考えている。
ところが、テック・スタートアップ系メディア Tech Crunch もそうであったが、紙の雑誌と異なり、ウェブメディアは閉鎖されてしまうと Internet Archive を除いて、その記事を読むことが非常に困難となってしまう。本誌や Netflix、Spotify などのサブスクサービスは、厳密には「コンテンツの購入」ではなく「サービスの利用」に対価を支払っていることを痛感させられる。
さて、wezzy に限らず、最近はウェブメディアの閉鎖が相次いでいる。2022年には LINE 社が運営していたニュースサイト BLOGOS が閉鎖となっていたが、今年は米・BuzzFeed News 編集部も閉鎖され、それに伴って日本の同サイトもハフポスト日本版に統合された。ちなみに、この文脈からは外れるが、無料で良質なニュースを提供している NHK NEWS WEB についても、一部でその行方をめぐる噂が飛び交っており、こちらはこちらで(メディア関係者の間で)話題となっている。
各メディアそれぞれの事情はあるだろうが、端的に言ってしまえばテキストメディアの終焉が起こっている。デジタルでの有料購読数が100万を超えた日経は例外的であり、大半のデジタルメディアが苦境に喘いでいるのだ。