Alphabet、通年売上3,500億ドル超に = 「AIのフルスタックアプローチ」が好調

公開日 2025年02月17日 14:06,

更新日 2025年02月17日 15:21

Alphabet の 2024年Q4における連結売上高は、前年同期比で12%増の964億6,900万ドルとなった。

増収要因としては、Google ServicesおよびGoogle Cloudを中心とした各種プロダクトやサービスの成長が挙げられている。

Google Servicesの売上高は前年同期比で10%増の840億9,400万ドル、Google Cloudの売上高は前年同期比30%増の119億5500万ドルに達している。なお、Google Cloudの売上高成長率は同四半期において最も高い伸びを示したとのデータが示されている。

通年の連結売上は3,500億ドル超

また通年(2024年1月~12月)の連結売上高は3,500億1800万ドルとなり、前年の3,073億9400万ドルから14%の増加だった。営業利益は前年の842億9,300万ドルから1,123億9,000万ドルへと拡大し、純利益は737億9500万ドルから1,001億1,800万ドルへと伸びている。

これらの上昇について、Alphabetは幅広いプロダクト群の総合的な成長が寄与したと説明している。

セクター別の注目ポイント

Google Services

Google Servicesには、Search、YouTube、Android、Chrome、Google Play、マップ、端末販売(Pixelなど)を含む幅広い事業が含まれる。Q4 2024においては売上高が840億9,400万ドルで、前年同期の763億1,100万ドルから10%増加した。Google Search & otherやYouTube広告が引き続き堅調だったことが主因だ。

Google Search & other

前年同期比で480億2,000万ドルから540億3,400万ドルへと売上高が拡大した。AI技術を検索機能に取り入れることで、ユーザーの検索行動に対するエンゲージメントが高まっているという。

YouTube広告

92億ドルから104億7,300万ドルに増加し、動画広告分野の需要を引き続き確保している。YouTubeがストリーミング視聴時間やポッドキャスト領域でもリードしていることが貢献した。

その他

なお、Google Servicesには広告売上が主に含まれるが、YouTubeのサブスクリプションやYouTube TV、YouTube Music Premiumなどのユーザー課金、Google One、Google Playを通じたアプリ購入、そしてPixelシリーズ等の端末販売も含まれる。Googleの発表によると、これら非広告収益(デバイス、サブスクリプション、コンテンツ課金など)も堅調に推移し、Google Services全体の増収に寄与したとのことである。

Google Cloud

Google CloudはQ4 2024において、前年同期比30%増の119億5,500万ドルの売上高を記録した。AI関連のソリューションやクラウド・インフラが成長を支えたと説明される。

Google Cloud Platform (GCP)の高い需要が継続し、特に大規模言語モデルをはじめとするAIインフラストラクチャや生成系AIのソリューション群が顧客企業からの関心を集めているという。

Other Bets

Other Betsには自動運転技術(Waymo)やヘルスケア関連など複数の事業が含まれるが、Q4 2024における売上高は4億ドルで、前年同期の6億5700万ドルから減少した。営業損失も拡大しており、前年同期の8億6300万ドルの損失に対して11億7400万ドルの損失を計上したという。

ただし事業の性質上、長期的視点での成長を追求している領域が多く、収益化のタイミングが限られる点にも触れられている。

投資領域(Capital Expendituresなど)

Alphabetでは、2025年に約750億ドルの設備投資を見込んでいると述べている。大規模言語モデルや各種AIソリューションを支えるためのコンピュート設備やデータセンター強化、クラウドインフラ拡大への投資が主眼になっている。

また機械学習・人工知能に関連する研究開発投資も、優先領域と見られている。同社がAIをコア技術として強化している流れが、引き続き投資方針にも色濃く反映されている。

経営陣の現状認識

Sundar Pichai(CEO)は、同決算発表リリースの中で「Q4はAIにおけるリーダーシップと事業全体のモメンタムが力強い結果につながった」と述べている。そのうえで、同社がAIを活用したプロダクトやモデルの開発・テスト・ローンチをこれまで以上に迅速化していること、そしてコンピュート技術の進化や効率化の推進にも注力している点を強調している。

Search分野においては、AI OverviewsやCircle to Searchなどの技術導入によりユーザーエンゲージメントを高めていると説明されている。

また、AIを活用したGoogle Cloud製品の顧客需要が引き続き拡大していることも挙げ、YouTubeが動画配信やポッドキャスト領域でリードしている点にも言及している。CloudとYouTubeの2つが合算で、年換算1,100億ドル規模のレベニューランレート(年間売上高換算)に到達したことにも触れている。

AIのフルスタックアプローチ

経営陣は、「AIのフルスタック・アプローチ」によるイノベーションや引き続き好調な主要サービスが同社の結果に強く寄与していると分析している。

「AIのフルスタック・アプローチ」とは、AIに必要な技術やサービスを、ハードウェアからソフトウェア、インフラストラクチャ、最終的なユーザー向け機能に至るまで一貫して自社で揃え、シームレスに活用する取り組みだ。

さらに同氏は、2025年における約750億ドルの設備投資計画も発表している。この投資がAIを含む重要分野のさらなる成長を促し、競争力を強化すると強調している一方、効率化の取り組みも並行して進めているため、リソース配分を継続的に最適化する姿勢を強調している。


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