先日、ある出版社の方に「出版社のビジネスモデルが厳しくなっている中、将来的にどうなっていきますかね?」と聞かれて話したが、私はとにかく IP で稼ぐしかないと考えている。
これは一見すると至極当たり前の話に見えて、既に出版社は、かなりの程度を漫画やアニメなどの IP で稼いでいる。出版市場全体で見ても、全体の 30% をコミックが占めている。これは2019年の数字だが、週刊『少年ジャンプ』が最多部数を叩き出した1995年の割合が 22% くらいだったので、そこから考えても漫画やアニメの成長率は凄まじいものがある。
グローバルで見ても、NAVER や Kakao などの韓国勢は、IP に凄まじい金額を投資しており、その出口もウェブトゥーンだけでなく、映画やドラマ、小説、グッズなど幅広く用意されている。
それを考えると、この「IP で稼ぐしかない」という話は普通の答えのように見えるのだが、実はもう少し解像度を高く出来るし、あまり掘られていない論点もあると考えている。
具体的には大きく2つあって、1つは、伝統的に文芸誌をブランドの中核に据えてきたような企業は、