⏩ "単なる水" こと Liquid Death も、101億円の大型資金調達
⏩ 注目の背景には、アルコール離れや健康志向、脱プラスチック志向も
⏩ 大麻規制の動向、今後の市場成長の焦点か
米国を中心に、飲料スタートアップの動向に注目が集まっている。
2024年3月には、ミネラルウォーターや炭酸水の販売を手がける Liquid Death (リキッド・デス)が6,700万ドル(約101億円)の資金調達を実施。この資金調達を受けて、同社の評価額は14億ドル(約2,100億円)となり、2年前と比較して評価額は倍増した。
体調改善などを目的とする、機能性飲料(fiunctional beverage)の分野でも、スタートアップによる資金調達に注目が集まっている。腸内環境の改善を促す炭酸飲料を手がける Olipop (オリポップ)は2022年2月に3,000万ドル(約45億円)の資金調達を行い、同月には大麻由来の成分を含む「THC 飲料」を販売する Cann (カン)も2,700万ドル(約41億円)の資金調達を発表した。
こうしたスタートアップ各社による活発な資金調達を裏付けるように、各種飲料の市場規模は拡大が見込まれている。ボトリング飲料水の世界市場規模は、2032年まで年平均5.2%ペースでの成長が予想され、機能性飲料市場も2028年まで年平均5.6%ペースで成長すると予測されている。
なぜ、いま飲料スタートアップに注目が集まっているのだろうか。この潮流は、今後も継続する大きなうねりとなるのだろうか。
飲料スタートアップ業界の概観
飲料スタートアップには大きく分けて、(1)炭酸水・ミネラルウォーター系、(2)機能性飲料系の2種類がある。
炭酸水・ミネラルウォーター系
炭酸水・ミネラルウォーター系のうち、筆頭格と言えるのが2017年に創業した Liquid Death だ。同社は独特のデザイン性をもつアルミ缶でミネラルウォーターなどを販売しており、2023年度には2億6,300万ドル(約395億円)を売り上げた。
Liquid Death の販売ページ