⏩ 設立背景にあるイーロン・マスクの思惑
⏩ 当初はゲーム AI などの開発を手がけつつ、LLM も開発
⏩ その後の組織再編には「魂を売った」との批判も
OpenAI は、2022年11月の ChatGPT のリリースによって、生成 AI 市場の可能性を開き、一躍スターに成り上がった。同社やサム・アルトマンCEO の一挙手一投足には、常に視線が注がれており、彼らについての報道を目にしない日はないと言っても過言ではない。
ただ、彼らがどのような道のりを経て現在の地位に上り詰めたかは包括的に報じられてこなかった。詳細は後述するが、2015年に OpenAI が設立された背景には、イーロン・マスク氏による思惑も絡んでいる。
OpenAI は ChatGPT をリリースするまで、どのような道のりを歩んできたのだろうか。
設立前夜
OpenAI は2015年、11名の人物によって共同で設立された。中心になったのは、イーロン・マスク氏や現在のCEO であるサム・アルトマン氏だ。
マスク氏は、OpenAI を設立した理由について、(1)2010年代の Google による市場の「支配」と(2)当時同社のCEO だったラリー・ペイジ氏の姿勢に問題があったと話している(太字は引用者による、以下同様)。