⏩ デュロフはロシアのザッカーバーグと呼ばれ、プーチンに中指を立てた人物
⏩ Telegram の「緩い」管理はテロリストや市民活動化に好まれる
⏩ プラットフォーマーの逮捕に業界は震撼、「一線を超えた」と非難も
複数の報道によれば、2024年8月24日(現地時間)、メッセージングアプリ・Telegram のパベル・デュロフCEO が、フランス当局に逮捕された。同CEO はロシア出身の起業家で、フランス国籍を持つ(*1)。
パベル・デュロフ(2015年)(TechCrunch, CC BY 2.0)
フランス当局は26日、Telegram 上の犯罪行為について、同社が法執行機関に協力する意思がないなど、12件の容疑で「匿名の人物」を捜査していたと明かした。「匿名の人物」とデュロフ氏の関係については分かっていない。
Telegram 上で送信されるメッセージは暗号化されており、公的機関や運営元でさえユーザー同士のやり取りを確認することはほぼ不可能だ。そのため、犯罪の連絡手段によく利用されており、過激派組織・ISIS の「好みのアプリ」とも呼ばれ、監視を受けてきた(太字は引用者による、以下同様)。
今回の報道を受けて、保守派の論客などからは「一線を超えた」とする声が相次いでいる。先日アメリカ大統領選から撤退し、トランプ氏の支持に回ったロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、「言論の自由を守る必要性はかつてないほど切実だ」と X に投稿した他、イーロン・マスク氏も #FreePavel と投稿した。
デュロフ氏は、ロシア版 Facebook の VKontakte(ロシア語で連絡の意味)を作ったことから、ロシアのマーク・ザッカーバーグとも呼ばれる。そして、後述する通りロシア政府に喧嘩を売って勝利し、一部から称賛を集めたこともある。
そんな人物が、なぜフランスで逮捕されるに至ったのだろうか。
(*1)この他、アラブ首長国連邦、カリブ海の島国セントクリストファー・ネイビスなど複数の国籍を保持している。