先日、大統領選を受けて「リベラルがアメリカを分断させた、などという言説は一考の余地もありません」と主張するツイートを見かけた。ツイート主のエッセイと合わせて、一定の支持を集めているようだが、個人的には賛同しない。
というのも、俺の立場としては「ポリティカル・コレクトネスは社会をより良くするものであり必要ではあるが、それが諸々の問題を解決してくれるわけではない」と考えているからだ。
リベラルが本当に分断を促したかは分からないが、リベラルがポリコレに拘泥していることは、明らかに問題だ。いま本当に取り組むべき問題は格差や経済の課題であり、「俺たちは分断を生んでない」と自己弁護することではない。
特にトランプ大統領が敗北した今、「リベラルは米国を分断していない!」と叫ぶことは、百害あって一利なしだろう。こうした主張は、また不毛な対立を生むだけだ。
あれだけ暴言を吐き、いまも「選挙に勝った」というデマをツイートし続けているトランプ大統領だが、現実として史上最大の7100万票台を獲得している。
米国の半数が、今もトランプ大統領を支持していることを考えれば、誰が分断を生んだかを問うことに意味はない。
分断される日米
とはいえ、多くの人が「トランプ支持者について考えろ」と主張しているが、その分析にもあまり意味がない。なぜなら、米国や日本は今後も分断され続けるからだ。
昨日、「2021年のソーシャルメディア予測」という記事を見かけた。この中に、検閲があるSNS(Twitter)と検閲がないSNS (Parler)に分かれるという予想が示されていた。大統領選でちょっとした注目を集めたParlerがその座を掴むかは分からないが、こうした未来は確実に起こりうる。