米Amazonは今月21日、プライマリ・ケア(*1)サービスを提供する米One Medicalの買収に合意した。
買収が正式に成立した場合、本件はAmazonにとって史上3番目の規模となる。Amazon Health Servicesのシニア・バイス・プレジデントであるニール・リンゼイ氏は「One Medicalの人間中心かつテクノロジードリブンなアプローチとタッグを組むことで、より多くの人々が、必要な時に必要な方法でより良いケアを受けられるようになると確信している。私たちは、この長期的なミッションを実現することを楽しみにしている」とコメントしている。
では、Amazonがヘルスケア市場で大型買収に踏み切った理由は何なのだろうか?また、この買収はマーケットやユーザーにどのような影響を及ぼすのだろうか?
(*1)プライマリ・ケアの定義は用いられる場面や状況により若干ニュアンスが異なるが、米国国立科学アカデミー(National Academy of Sciences, NAS)は「患者の抱える問題の大部分に対処でき、かつ継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域という枠組みの中で責任を持って診療する臨床医によって提供される、総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービス」としている。日常的な診療などを通して、必要な際には専門医に接続するなどの特徴もあり、日本語では「一次医療」と呼ばれることもある。
AmazonのOne Medical買収
AmazonによるOne Medicalの買収金額は34億9000万ドル(約4830億円)にのぼり、同社にとって過去3番目の規模となる。
Amazonは、2017年に自然食品スーパーマーケットチェーンのWhole Foos Marketを137億ドル(約1兆4,800億円)で、2022年には映画制作会社Metro-Goldwyn-Mayer Studiosを84.5億ドル(約9,200億円)で買収した。
Amazonが発表した合意内容によると、One Medicalの1株当たり買収額は18ドルで、直近の株式市場における終値に76.8%のプレミアムを乗せて算定されている。その結果、One Medicalの純債務を含めると、買収額は合計39億ドル(約5,300億円)となる。
One Medicalとは
One Medical(同社HPより)
Amazonが買収するOne Medicalとは、どのような企業なのだろうか?そのサービス内容と近年の成長について整理したい。
プライマリ・ケアの会員制サービス
One Medicalは、スマホアプリや診療所を通してプライマリ・ケアを提供する会員制サービスだ。