暗号資産の世界的な暴落は「クリプトの冬(Crypto Winter)」と呼ばれ、Web3.0に関わる多くの企業やサービスにとって出口の見えない厳しいマーケット状況が続いている。これはWeb3.0を取り巻く事業環境の健全化を図るチャンスであるという期待や、さらには危機の「終わり」が近いことを予測する楽観的な見方もある。しかし、多くの Web3 ビジネスにとっては、事業計画の見直しや人員削減などを迫られる過酷な状況であることには変わりない。
そんな Web3 の主要プレイヤーの1つが、世界最大のNFTマーケットプレイス OpenSea だ。同社は今月6日、NFTのクリエイターへの手数料(ロイヤリティ)を強制する新たなシステムを発表した。これは、二次流通において、NFT を生み出したクリエイターにロイヤリティが還元される仕組みだ。クリエイターの利益を尊重した仕組みとも、NFT市場における競争激化でシェアが奪われつつある OpenSea の利益を最大化する仕組みとも言える。
いずれにしても、NFT市場の急速な拡大と競争激化が続く中で、同社はサポート対象言語を中国語、韓国語、日本語、フランス語、スペイン語、ドイツ語にも拡大する方針も明らかにしており、すでに同サイトは日本語化されている。さらに、2023年までには主要ブロックチェーンのほぼ全てに対応する予定であることも発表するなど、成長のための施策を次々と打ち出している。
Web3 や NFT を語る上で無視できない存在となった OpenSea とは、どのようなプラットフォームなのだろうか?また、OpenSea は誰によって生み出され、世界にどのようなインパクトを与えているのだろうか?そして、同社の成長はなぜ脅かされているのだろうか?
OpenSeaとは何か
まず、OpenSea とはどのようなプラットフォームなのだろうか?
OpenSea(同社HPより)