米・Apple は今月13日、米・Goldman Sachs と共同で、同社が提供するクレジットカード Apple Card ユーザーを対象として、手数料無料で利息の高い預金口座を提供することを発表した。Apple Card に付属する還元プログラム Daily Cash のキャッシュバックが同預金口座に自動的に入金され、支払いや送金を Wallet アプリから直接行うことが可能になる。
Apple Card(同社HPより)
金融コンサルティングを提供する Cornerstone Advisors のロン・シェヴリン氏は、Apple が預金口座を持つ取り組みについて、金融事業のエコシステムを構築する、非常に長い地平線を歩むためのステップの1つだと評している。
Apple がリリースする預金口座とは何で、Apple Card との関連や仕組みはどのように設計されているのだろうか?また、預金口座のリリースは、同社や市場にとってどのような意味を持つのだろうか?
どのような仕組みなのか?
Appleがリリースする預金口座とは、一体どのような仕組みなのだろうか?
手数料無料・高利息の預金口座
同社が提供開始するのは、手数料が無料であり高い利息が設定された預金口座だ。
Apple Card の利用ユーザーは、Wallet アプリを使用して無料で口座開設が可能で、最低入金額や最低残高といった要件が課されることはない。Apple Card の還元プログラム Daily Cash のキャッシュバックが開設した自身の口座に入金され、Wallet アプリを通して支払いや送金ができる。Daily Cash のキャッシュバック額の他に、Apple Card にリンクされた銀行口座などを通して追加入金も可能だ。
「高い」とされる利息については、現在のところ具体的な利率は提示されていない。Goldman Sachs が提供する Marcus Online Savings の年換算利回りは2.15%、PayPal による PayPal Savings Accountは同2.45%となっていることから、同水準またはそれ以上の利回りを設定することが予想できる。
つまり、これまで提供されてきた Apple Card のキャッシュバック(1~3%)には利息が付かなかったが、この預金口座を持つことでユーザーは利回りを得られるメリットがある。また、キャッシュバックによる短期的なリワードの受け皿に止まらず、通常の銀行口座に代わって、ユーザーが中長期的に資産を貯蓄する手段にもなり得る。