⏩ 多くのコンテンツモデレーターが解雇
⏩ Twitterは、大麻広告の許可を発表
⏩ 原因は不況の他、テックの「規制疲れ」が影響しているとの見方も
大手テック企業のコンテンツモデレーション(*1)が変化しつつある。
テック各社は2022年の大規模な人員削減の一環として、プラットフォームの安全性を管理する部門を縮小したほか、多くのコンテンツモデレーターを解雇した。さらに、Twitterでは大麻広告の掲載を許可するなど、コンテンツの規制基準にも変化が見られている。
なぜテック企業はコンテンツ規制を緩めているのだろうか?
(*1)SNS上の投稿コンテンツ(書き込み・画像・動画)に対して監視を行い、不適切コンテンツの削除やアカウント凍結などの対応を行うこと。
変化するコンテンツモデレーション現状
2016年の米・大統領選挙においてソーシャルメディアが果たした役割は大きく、テック企業のコンテンツモデレーションが見直されるきっかけとなった。それ以降、テック各社は偽情報やヘイトスピーチ等の不適切コンテンツへの対策に力を入れてきたが、近年はその様子が変化している。
テックの人員削減
テック企業では昨年、大規模なレイオフが相次いだ。各社が人員削減の対象とした者は技術系の社員のほか、ネット上の有害コンテンツを監視・削除するモデレータも含まれている。
早くにレイオフに踏み切ったのは、2022年10月にTwitterを買収したイーロン・マスクだ。同氏は買収が完了した直後に、人事などの部署を大幅に削減したが、ここにはTwitterの「トラスト&セーフティー(信頼・安全)」部門が含まれていた。
マスク氏によるTwitter改革に続くように、テック各社では大規模な人員削減が決行された。Facebookの親会社・Metaでは、2022年11月に従業員の13%に当たる約1万1,000人を削減し、さらに数千人規模の新たな人員削減の計画が報じられている。
Googleの親会社・Alphabetでは約1万2,000人の雇用を削減したほか、ネット上のヘイトスピーチや偽情報対策ツールの開発を行う関連会社・Jigsawの従業員の3分の1を削減した。