⏩ 経済的・地理的区分に限らない3つの用法
⏩ 安全保障・政治・経済・地球規模の課題から注目
⏩ 安保への影響力や援助体制のあり方などが焦点
⏩ サウス内部の分裂も指摘
今年に入ってから特に、グローバルサウス(Global South)との関係強化が取り沙汰されている。
岸田文雄首相は1月23日の施政方針演説で「世界が直面する課題に国際社会全体が協力して対応するために、グローバルサウスへの関与を強化する」と述べた。
同月13日のジョンズ・ホプキンス大学での講演でも「グローバルサウスから背を向けられれば我々が少数派となる。政策課題の解決はおぼつかなくなる」と強調している。また先月のインド訪問に際しては、モディ首相と会談するとともに同国をグローバルサウスの代表格だとして、関係強化を目指している。
そして今月10日には、4月末からの大型連休中にグローバルサウスへ外遊する意欲を見せた。
グローバルサウスとは何で、いったいなぜ注目されているのだろうか?
グローバルサウスとは何か?
バージニア大学准教授のアン・ガーランド・マーラー氏によれば、グローバルサウスに明確な定義はなく、大きく3つの用法がある。