⏩ カリフォルニア州の "リチウム・バレー" に熱視線
⏩ 世界で高まるリチウム需要に対する救世主となるか
⏩ アメリカの脱中国依存、リチウムの王者へ返り咲く期待も
電気自動車(EV)、スマートフォン、PC など現代のテクノロジー製品にとって、リチウムバッテリーは欠かせない存在となっている。EV 大手の Tesla(テスラ)が、テキサス州で100万台分のリチウムを製造する見込みを明らかにするなど、リチウム需要の高まりは著しい。
その中で、新たなリチウムの宝庫として、カリフォルニア州の砂漠地帯に熱い視線が注がれており、次のゴールドラッシュが起こるという期待さえ高まっている。"リチウム・バレー" とも呼ばれる地域は、なぜ注目を集めているのだろうか。
リチウム・バレーとは何か?
リチウム・バレーとは地名ではなく、カリフォルニア州南東部に位置するインペリアル・バレーという砂漠地帯に用いられる呼称だ。リチウムが豊富に含まれる土壌があることから、そのように名付けられた。
インペリアル・バレー(Google Map)
2022年、この地域にあるソルトン湖の周辺で、リチウム抽出の試験的プロジェクトが開始されており、政府も3,500万ドル(約47億円)に及ぶ投資をおこなうと発表した。すでに、自動車メーカー大手の General Motors(ゼネラル・モーターズ)などは、抽出プロジェクトをおこなう企業に投資し、米国産リチウムの確保にむけて動き出している。
政府から企業に至るまで幅広い関心を集め、大きな動きの只中にあるリチウム・バレーだが、その注目理由はいったい何にあるのだろうか。
なぜ注目されるのか?
リチウム・バレーが大きな注目を集める理由は、大きく2つのポイントから説明できる。