⏩ CCSは、発電所からのCO2排出を地中に貯留
⏩ Microsoft、2030年までのカーボンネガティブ達成を宣言
⏩ CCSを支援し、カーボンクレジットを購入する狙い
米・Microsoftが、CCSと呼ばれる技術への支援を強めている。
同社は2021年に、ノルウェーのスタートアップなどとCCSを共同で開発する旨の覚書(MOU)を締結した。先月には、デンマーク政府も当該プロジェクトへの財政的な支援を発表した。
CCSとは、Carbon Capture and Storageの略で、直訳すれば「炭素回収・貯留」になる。これはCO2を海底などの地中深くに埋める技術で、大気中のCO2を削減できる技術として注目を集めている。
最近では AI 分野などで強みを発揮するMicrosoftだが、一体なぜCCSを支援しているのか。その背景には、同社が掲げるカーボンネガティブの目標が関係している。
CCSとは何か
CCSは、CO2を地中深くに埋め、大気に放出されることを防ぐ技術だ。
ただし、大気中のCO2を回収して貯留するわけではない。これはDAC(Direct Air Capture)と呼ばれ、別の技術として分類されている。
CCSは主に発電所などから排出されるCO2を回収し、パイプラインなどを使って地中に貯留する。貯留先となるのは、地下水がある帯水層などで、適切な地層に貯留すればCO2を1,000年にわたり閉じ込められるとされる。
いまだ本格的な実用化はされていないものの、昨年時点で64億ドル(約8,320億円)もの資金がCCS分野に投じられた。日本でも、北海道苫小牧市で CCS の大規模実験が進んでいる。
BECCSの可能性
CCSのなかには、CO2の排出を防ぐだけではなく、大気中のCO2を "減らす" 効果が期待されるものがある。その1つがBECCSと呼ばれるものだ。