⏩ 中国からの気球やスパイ活動などで安全保障上の懸念が深まる
⏩ 昨年の規制に存在した「抜け穴」をふさぐ狙い
⏩ 規制は逆効果で中国を利するだけという声も
10月17日(現地時間)、米・商務省は中国に対する高度な AI チップの輸出規制を強化すると発表した。この強化は、2022年10月に導入された規制の「抜け穴」をふさぐものだという。
規制発表の日、半導体チップ大手の Nvidia の株価は4.7%下落した。
今回の規制について、中国共産党系の機関紙 Global Times は「有害な戦略をでっち上げている」と非難し「米国企業の利益を損なうだけでなく、チップ産業における中国の進歩を制限することにも失敗する」と指摘した。
昨年から行われていた規制だが、なぜ米国はさらに強化する動きに乗り出したのだろうか。
規制の目的は安全保障
前提として、規制の主要な目的は、安全保障上の脅威になる中国の技術開発を遅らせることにある。規制は2022年10月からおこなわれているが、その際、米国当局は半導体チップが「大量破壊兵器を含む高度な軍事システムの製造」と「人権侵害」に使用されていると指摘した。