⏩ イーロン・マスク氏と OpenAI の経営をめぐり対立
⏩ 不可解な点が残る Y Combinator 社長からの退任
⏩ OpenAI のライバル Anthropic のアモデイ兄妹との衝突も示唆
11月17日(現地時間)、OpenAI のサム・アルトマン氏が CEO の職を解任され、その後20日に Microsoft への電撃入社が明かされた。ところが21日、一転して OpenAI の CEO として復帰すると報じられた。
一連の解任劇で明らかになったことの1つは、アルトマン氏の高い求心力だ。
20日のインタビューで Microsoft のサティア・ナデラCEO は、「サム(アルトマン氏)がどこにいようと、彼は Microsoft と協力する」と話しており、アルトマン氏の OpenAI 復帰の可能性を残していた。
また、OpenAI に2019年から投資をしている大手 VC・Kholsa Ventures のビノッド・コースラ氏は、アルトマン氏が OpenAI に戻ることを望んでいるが、彼が次に何をしようとも、それを支援するとした。
そして、20日17時(日本時間21日7時)までに、残された OpenAI の従業員約770人のうち738人が、アルトマン氏を CEO に復帰させない限り、同社を退職するという公開書簡に署名している。
今週休暇となった OpenAI の従業員は、アルトマン氏へのサポートを表明するためオフィスに集まった。
過去に Microsoft を窮地から救い、早くから AI への賭けを進めてきたビッグテックの CEO、著名 VC、そして約 95% に相当する従業員など、アルトマン氏のために多くの人が支援を表明しており、その人気ぶりが伺われる。
一方、アルトマン氏を追放した OpenAI の取締役会は袋叩きにされている。「取締役会が会社を爆破したかもしれない」といった評価や、「AI の多大なる恩恵に向かう世界の道筋を妨げた」という批判が投げかけられている。
とはいえ、アルトマン氏の名声はそれほどまでの評価に値するのか、あるいは取締役会がそれほど愚かな選択をしたのか疑問視する声も聞かれる。なぜなら、所属する組織やそのメンバーとアルトマン氏が対立したのは今回が初めてではなく、取締役会の信頼を失った点については真剣に受け止めるべきだとも言われるからだ。
アルトマン氏は、OpenAI の取締役会から解任される以前、どのような対立を起こしてきたのだろうか。