⏩ 北京市や遼寧省で肺炎をともなう呼吸器疾患が流行
⏩ 中国では国慶節以来、呼吸器疾患の流行が深刻化
⏩ 中国政府がWHOの情報提供要請に応じるか注目
中国北部で、原因不明の肺炎クラスターが発生している。
11月21日、台湾メディアなどは中国北部の北京市や遼寧省などで、児童の間で原因不明の肺炎をともなう呼吸器疾患が流行していると報じた。台湾の放送局・FTVによると、遼寧省の大連市内の小児病院では、患者の児童を収容しきれず、待合室で点滴を打つなどの対応に追われていると報じられている。
こうした事態に、11月22日にはWHO(世界保健機関)が、北京市や遼寧省で確認されている原因不明の肺炎クラスターについて、中国政府の保健当局に情報提供を要請した。なお現時点では、当該クラスターが、インフルエンザやCOVID-19などの既知疾患と関係性があるのかどうかは明らかになっていない。
北京や遼寧省で確認されている肺炎クラスターの原因は不明であるものの、中国では今年に入り、児童の間でマイコプラズマ肺炎などの呼吸器疾患による肺炎の流行が深刻になっている。背景の1つには、昨年12月から「ゼロコロナ政策」が急速に緩和されたことの影響が指摘されている。
したがって、今後の疫学的検査次第では、北京や遼寧省で広がっている肺炎についても、こうした既知疾患との関係性が明らかになる可能性がある。では、中国で流行している肺炎について、これまでに分かっている情報を整理してみよう。