Twitter社CEOのパラグ・アグラワル氏が、育児休業の取得に向けて準備していることを発表した。同社は従業員に対して最大20週間の育児休業を提供しており、アグラワル氏は数週間ほどの取得を計画しているという。
アグラワル氏は、前任のジャック・ドーシー氏の退任に伴い、昨年11月にCEOに就任したばかり。育児休業中は代わりとなる暫定CEOを置かず、同氏が休業中にもエグゼクティブチームと連絡を取り合うことで、仕事と家族両方に対するコミットメントのバランスを取る意向を示している。
重要な理由
今回のアグラワル氏の育児休業取得は、以下の2点から重要だ。
- シリコンバレーにおける規範の変化の表出
- 著名リーダーが、米国社会に与える影響の大きさ
シリコンバレーにおける規範の変化の表出
アグラワル氏の育児休業取得からは、シリコンバレーにおける規範の変化を読み取ることができる。
後述するように、実は米国の企業では未だ育児休業の取得が一般的ではない。その一方で、近年、Twitter社を含むシリコンバレー企業では、従業員に対して進んで育児休業を提供する姿勢が見られている。例えば、Meta社は最大20週間、Netflix社は最大1年間、UBER社は最大18週間の育児休業の提供を開始した。また、Google社は今年に入って、育児休業の最大期間を18週間から24週間へ増加させることを決定した。
いずれの企業も、母親だけでなく父親も育児休業取得の対象とされており、性別を問わない取得が推進されている。アグラワル氏の育児休業取得はこうした流れを汲んだもので、シリコンバレー企業における男性の育児休業取得が進んでいる現状が見て取れる。
著名なリーダーが米国社会に与える影響の大きさ
また、今回の育児休業取得で重要となるのは、大手テック企業であるTwitter社のCEOという肩書を持つアグラワル氏が取得の方針を表明したという点だ。データアナリティクス企業であるパラダイム社のジョエル・エマーソンCEOは、「アグラワル氏のような人目につく人、男性やリーダーの立場にある人が育児休業を取得することで、育児休業を取得する人たちに対してメッセージや力を与えることができる」と高く評価する。