⏩ Discordは2020年から、非ゲーマーへの普及を目指し仕様変更を進めており、GAS買収はこの拡大戦略の一環
⏩ GAS創設者ニキータ・ビアー氏は、現在の人気をピークと見て売却したとの見方も
2023年1月17日、コミュニケーションツールのDiscordが、匿名コミュニケーションアプリのGASを買収したと発表した。
Discordはジェイソン・シトロン氏がスマホ向けゲームのために創業したツールだ。2015年のリリース以降、ゲームアカウントとの連携や低遅延のボイスチャット等、ゲームに特化した機能でこれまでに2億5000万人以上のユーザーを集めている。
一方のGASは、Metaの元社員であるニキータ・ビアー氏が設立した匿名コミュニケーションアプリだ。2022年8月のリリース以来、匿名で日常的に自己肯定感を高め合うアプリとして、アメリカとカナダのZ世代の間で急速に人気を高めている。
このように、Discordがゲームにおけるコミュニケーションに特化したツールであるのに対して、GASはより日常のコミュニケーションに即したアプリであり、それぞれの利用シーンはやや異なる。さらに、Discordの最多利用者層はミレニアル世代だが、GASの主なユーザーはZ世代と、年齢層も異なる。
それでは、DiscordによるGAS買収はなぜ起きたのだろうか?両社のこれまでの取り組みや今後の狙いを見ていこう。