⏩ メディカルストップロス保険で急成長
⏩ 成長要因は、①データ分析における優位性と②市場の成長
2023年2月、Alphabet の子会社でヘルスケア事業を展開する Verily(ベアリー)の収益が増加し、Alphabet 内では Google に次いで2番目に大きい子会社となったことが報じられた。特に、Verily が展開する保険事業 Granular が躍進を遂げたという。
Alphabet が展開するヘルスケア関連事業といえば、2019年の Google による買収からかなりの時を経て昨年10月にやっと Pixel Watch を発売した Fitbit や、2014年に立ち上げられたものの長い間棚上げされ、18年に開発の打ち切りが発表されたスマートコンタクトレンズ事業など、必ずしも成功していないイメージが強い。
その中でなぜ、Verily が展開する保険事業が急成長しているのだろうか。事業概要や保険事業への参入理由などと合わせてみていこう。
Verilyとは
Verily は当初、GoogleX(*1)の一部門で、次世代製品研究を手がける生命科学プロジェクトとして2012年にスタートした。2015年の Google の組織再編により独立し、現在 Verily は Alphabet の子会社となっている。つまり、Google とは兄弟会社にあたる関係だ。
まずは、Verily の事業概要と財務状況を簡単に見ていこう。
(*1)Googleの機密施設によって、人工知能や計算論的神経科学、生物工学等の次世代技術の開発を担うプロジェクト。現在はXという企業名で、Alphabetの子会社になっている。
事業概要
Verily の事業形態は大きく分けて2つある。1つ目は祖業であるデジタル技術を活用したヘルスケアソリューションの開発・提供、2つ目は2020年に立ち上げられた Granular という保険事業だ。