⏩ プロダクト不明で調達が噂される Mobius AI
⏩ ChatGPTのライバル、Anthropicら
⏩ "実行"する AI を手がける Adept
⏩ デバイス消失の未来を目論む Humane など
ジェネレーティブ(生成系)AI の進化が、連日のように世間を騒がせている。テクノロジー業界全体では相次ぐレイオフや、シリコンバレー銀行の破綻などのニュースも続くが、AI 業界は引き続き活況を呈している(*1)。
ジェネレーティブ AI の市場規模は、2022年時点で約100億ドル(約1兆3,500億円)で、2032年までに1,100億ドル(約14兆8,000億円)を超えると予測される。
進化を続ける AI の技術は、今後あらゆる領域に浸透する可能性を有しているため、「革命」が始まったとも言われるが、足元ではどのような企業に期待が寄せられているのだろうか。特に、ビッグテックや大手 VC は、どのような企業に対して投資をおこなっているのだろうか。
(*1)一方で、世間の盛り上がりに対して、VC は思ったほど投資をおこなっていない、という指摘もなされている。これは、企業や技術進化の動きがはやいため、投資家が静観しているなどの要因が考えられる。
台頭する AI スタートアップ
OpenAI や Google、Apple、Meta の出身者などが創業した企業を中心として、最近になって大手VC から調達をおこなった、あるいは調達が噂されている12の企業を見ていこう。
Mobius AI
Mobius AI(同社HPより)
最初に見るのは、ジェネレーティブ AI の「ゴールドラッシュ」を体現している Mobius AI だ。同社は、カナダ・トロントに拠点を置き、Google の研究者ら4名によって創業された。そのサイト(上記)を見ればわかるように、具体的にどのような製品を手がけるのか不明で、写真や動画を生成できる AI 技術の開発に取り組むことくらいしか分かっていない。
しかし関係者によれば、Mobius AI は創業からおよそ1週間で、シリコンバレーの著名 VC である Andreessen Horowitz(a16z)と Index Ventures から資金提供の申し出を受けている。具体的なプロダクトも不明な、4名の研究者とパソコン1台あまりのチームが、突如としておよそ1億ドル(約135億円)という評価額を獲得するに至った。
このように、ほとんど動き出して間もないスタートアップに対して、有力 VC が働きかける例は他にもある。次に見るのは、法人化の手続きを終えていないにもかかわらず、大手 VC からの投資提案を蹴ったとされるスタートアップ、Dust だ。
Dust
Dust(同社HPより)
Dust は、OpenAI や Stripe 出身のスタニスラス・ポル氏などによって2022年に共同創業され、フランス・パリに拠点を置く(*2)。LLM アプリケーションを作成およびデプロイできるようにするためのツールをユーザーに提供している。