⏩ 19日アゼルバイジャンの攻撃で戦闘が開始、死者は200名超えという情報も
⏩ 24時間でナゴルノ・カラバフ側が降伏、ロシアの仲介で停戦合意へ
⏩ 背景に指摘されるイギリス大使館の存在とは
アゼルバイジャン内の係争地ナゴルノ・カラバフでの衝突をめぐり、9月20日(現地時間)、アルメニア系勢力がロシアの停戦案を受け入れた。これを受けて、アゼルバイジャンは19日から始めていた軍事活動を停止した。
今回の戦闘で、子どもを含む民間人からも犠牲者が出ている。正確な数字は把握できていないが、死者が200人を超えたとする情報もあり、人道危機が懸念されている。
アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領は20日の会見で、「鉄拳」により「アゼルバイジャンの主権が回復された」と述べて、事実上の勝利宣言をおこない、今後はナゴルノ・カラバフを「楽園にする」と続けた。
ナゴルノ・カラバフは、アゼルバイジャンの国内に位置するが、人口の大半を約12万人のアルメニア系住民が占める。1992年に独立が宣言され、独自の政府「アルツァフ共和国」が実効支配をしているが、密接な関係にあるアルメニアを含め、国際社会は国家として承認していない。特にアゼルバイジャンは、この地を「奪還」しようと試みてきた。
色の薄い地域がナゴルノ・カラバフ(Aivazovsky, Public domain)
アルメニアのニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)首相は19日、「アゼルバイジャンの目的は、アルメニアを戦闘に巻き込むことだ」と述べて、戦闘に介入しないことを正当化していた。
しかし、ナゴルノ・カラバフに住む多くのアルメニア系住民に必要な支援を行わなかったとして、アルメニア国内では、同国政府や同盟国のロシアに対して抗議の声が上がっている。
アルメニアの首都エレバンにあるロシア大使館前で、ロシアのパスポートを引き裂いて抗議をおこなうアルメニア市民
今回の戦闘は、アゼルバイジャンによって2022年12月から開始された、道路の封鎖に端を発する。この道路は、アルメニアとナゴルノ・カラバフをつなぐ唯一の道だが、後述する通り、封鎖をめぐる動きには在アゼルバイジャン英国大使館による間接的な関与も指摘されている。
アゼルバイジャン政府による「民族浄化」だとも言われる一連の戦闘の背景はどうなっており、今回の動きは国際社会に対して何を示唆しているのだろうか。